不動産のなかには、「擁壁(ようへき)」のある物件が存在します。
一般的に聞き慣れない言葉のため、どのような役割を持つものなのかわからないという方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産を購入する前に知っておきたい擁壁の概要と注意点を解説しますので、ぜひご参考にしてください。
そもそも擁壁とは?
擁壁とは、崖や盛土が土壌の横圧などによって崩れるのを防ぐために設けられる壁のことです。
擁壁は、山道の途中や高低差の大きい住宅地、山を切り崩して建設される高速道路などで多く見ることができます。
簡易的に建設されるものを土留め、高速道路の斜面のように本格的に建設されるものを擁壁と呼んでいます。
擁壁にはいくつか種類があり、主に宅地で用いられるのは「自然石積み擁壁」「練積み造」「RC造擁壁」の3種類です。
自然石積み擁壁は、お城を取り囲む石垣のように自然石を積み上げたタイプです。
なお、現在の法律では強度が弱く擁壁とは認められていないため、古い家を購入する際には注意しなければなりません。
練積み造はブロックとブロックをコンクリートで積み上げるタイプで、街中でよく見かけるタイプです。
RC造擁壁はコンクリート製のタイプで、鉄筋コンクリート造と無筋コンクリート造の2種類に大別されます。
不動産を購入する前に要チェック!擁壁の注意点
擁壁の注意点は、以下の3つです。
●劣化は避けられない
●隣人とトラブルが起こる可能性がある
●適格な擁壁かどうか調べる
擁壁は屋外にあるため、時間の経過とともに劣化していきます。
劣化が進んでしまうと事故の危険があるので、いずれは修繕しなければなりません。
中古の不動産を購入する場合は、必ず擁壁の状態を確認しておきましょう。
擁壁は隣地との境界に建設されるケースが多く、隣人とトラブルになることが少なくありません。
隣地との高低差がある場合、高いほうの敷地の所有者が擁壁を造る責任を負うのが一般的ですが、話し合い次第では折半するケースもあります。
また所有者が変わると、擁壁が建設された経緯や費用負担者が不明になる場合もあり、トラブルにつながりやすい原因の1つです。
宅地の擁壁が崩れて被害が出た場合は所有者の責任となり、損害賠償責任として多額の費用がかかるリスクもあります。
そのため、トラブル防止のためにも擁壁に関する話し合いはしっかり記録しておくことをおすすめします。
擁壁が適格なものかどうかも重要なポイントです。
管轄する自治体または不動産会社に確認し、不適格であった場合は擁壁工事について話し合う必要があります。
まとめ
擁壁とは、土地が崩れるのを防ぐために設置される壁上の構造体のことです。
安全面で重要な役割を果たすものですが、なかには劣化が進んでいるものや擁壁の基準を満たしていないものも存在します。
購入を検討している物件に擁壁がある場合は、今回解説した注意点をぜひご参考にしてください。
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